1.1 バスクの道(Camino Vasco del Interior)へ向けて
2008年から毎年の様にサンティアゴ巡礼路を歩いていますが、スペイン北部のバスク地方は言語もバスク語
を使用し独特な地方色のある地域です。友人がサン・セバスティアン(San Sebastian)に在住している事
から2年ぶりの再会を目的としてバスクの道を歩くことにしました。
バスクの道(Camino Vasco del Interior)はイルン(Irun)からフランス人の道のサント・ドミンゴ・デ
・カルサーダ(Saint Dominogo de la Calzada)までの203km(8 Etapa)と紹介されている事が多い
ですが、ローマ時代からの交易路としてはカスティージャ(Castilla)の主要であるブルゴス(Burgos)
まで歩く人が多かったのではないかと思います。しかしバスクの道(Camino Vasco del Interior)よりも
バイヨンヌ(Bayone)からブルゴス(Burgos)までのバイヨンヌの道(Camino Bayone)と呼ばれる
方が一般的なと言えます。
実際にビトリア・ガステイス(Vitoria ・Gasteiz)からブルゴス(Burgos)までの区間にはErmitas de
la Virgen del Camino(聖母教会)やローマ時代の交易路であったイタリアの道(Via de Italia)等の
遺跡が残されています。
バスクの道(Camino Vasco Interior)のハイライトは聖アドリアン・トンネルです。標高1000mの岩壁
に長さ150mものトンネルが彫られており、中世に交易やイスラム侵攻防衛の主要拠点として利用されたと
の事でこの道の歴史的な意義を感じます。
このルートはフランス北部から(特にパリの道)からフランス人の道へ至るルートとして現在でも多くの
巡礼者が利用しておりバスクの地方色を味わえるルートでした。
1.2 歩いた行程と宿泊先
2016年8月25日に成田を出発して8月28日はイグナチオ・デ・ロヨラの生誕地を訪れ、8月29日イルン
(Irun)を出発して9月8日にブルゴス(Burgos)へ到着しました。
歩いた行程(Etapa)と宿泊先について下記に示します。
「Camino Vasco 行程 実績」
2.1 サン・セバスティアン (San Sebastian・Donastia)
2016年8月28日(日) 曇り
前日(8月27日)にバルセロナ(Balcerona)からサン・セバスティアン(San・Sebastian)へ列車で
移動し友人宅へお世話になることにした。友人は8月末で夏季休暇が終わるので3日間は一緒に歩く予定
であったが、今日は休養を兼ねてバスクの村へドライブをする事にしました。
まず、イグナチオ・デ・ロヨラ(Ignacio López de Loyola)の生誕地であるアスペイティア(Azpeitia)
のロヨラ城へ向かいました。
イグナチオ・デ・ロヨラ(Ignacio López de Loyolaは1491年にこの城で誕生しましたが城に併設された
聖堂(Sanctuaire de Loyola)は彼の死後1682年から建設が始まり1888年まで工事が継続しました。
イグナチオ・デ・ロヨラ(Ignacio López de Loyola)についてはフランシスコ・ザビエル(Francisco de
Xavier)と共に日本でも著名な聖人であり司馬遼太郎の「南蛮の道」も読んでいたので一度訪れてみたい
場所でもありました。ロヨラ城内は博物館になっています。
その後、エカイン・ベリ(Ekain Berri)の洞窟壁画を見学しました。
Sanctuaire de Loyola(バシリカ聖堂) | エカイン・ベリ(Ekain Berri)洞窟 |
2.2 イルン(Irun)からエルナニ(Hernani)へ
2016年8月29日(月) 曇り後晴れ 26.6Km
San Sebastian (7:00)= Irun(7:20)ー 高速道路を渡る (7:50)- Carretera GI3452 (8:40)
- Oiartzun(9:50)- Area Recreativa(11:45)- Restaurante(12:20)
ー Ermita de Santiagomendi (13:00)ー Hernani (13:40)
友人の自宅から歩いてサン・セバスティアン(San Sebastian)の駅へ行き列車でイルン(Irun)まで
乗車する。時間が早いためか乗車している人は少ない。駅を降りてジプスコア通り(Avenida Gipzkoa)
ヘ来ると道路上にCaminoの標識があった。街路樹のあるやや坂道を登りロータリを曲がると10文程度で
高速道路(AP-8)の陸橋を渡ると林の中の林道になり静かな道で朝の空気が心地よい。
1時間程度で道路を横切り農場脇を通るが再び道路に出ると遠方にサン・セバスティアン(San Sebastian)
の街並みが見える。道路を外れて坂道を下るとやがてオイアルツン(Oiartzun)の村に着いた。
村の広場にバルがあったので休憩すると友人がこの村に住む昔の同僚に電話をして呼び出し暫く話をして
休憩した。
オイアルツン(Oiartzun)の村から巡礼路を登って行くと、水場があり林の中を歩いて行くと小川も流れて
ややアップダウンがあるが歩き安い道が続き牧場脇を下っていくとCasa Rural(Añarre Zarra)の道に
出る。巡礼路は右手の林道に入り20分程度でBorda Berriと看板のあるレクレーションエリア(Area
Recreativa)に着く。再び林の中の林道になり何処かで食事が出来る処があるのかと考えていたら突然に
レストランの建物があって驚いた。丁度昼食の準備をしているがかなり大きなレストランで座席も多いが
道路からやや下った処にあるとの事で友人も時々来るとの事であった。
食事中にやや雨も降っていたが幸い食事後に歩き出すときには雨も止んで薄日も出てきた。アップダウン
のある林道を歩くとErmita de Santiagomendiに着く。ここからはエルナニ(Hernani)の町が眼下に
見えて展望も良い公園になっている。
ここから下りになってエルナニ(Hernani)のアスティガラ(Astigarraga)のアルベルゲ(Arbergue
Astigarraga)の前を通って住宅街に降りるとサン・セバスティアン(San Sebatian)へのバス停があり
バスで友人宅へ戻った。
*この行程の注意事項、コメント
① Irun(イルン)市内の始点はバイヨンヌ(Baynoe)からくる場合と異なるかと思われますがジプス
コア通り(Avenida Gipzkoa)には標識があるので、イルン(Irun)駅から又は前泊の場合などは
この通りから巡礼路に入れば良いかと思います。
② この区間は26.6Kmでかなりアップダウンもあり初日の場合はややハードな区間ですが標識も多く
特に問題のある個所はありません。
③ 途中のオイアルツン(Oiartzun)にはバル(Bar)と商店(Tienda)があります。
Ermita Santiagomendiの20分程度手前にレストランがあり昼食に利用可能です。
Camino Vascoの道標 | オイアルツン(Oiartzun)の水場 |
川添の巡礼路 | レストラン(Frantsill Berri) |
Ermita Santiagomendi | Albergue Santiagomendi |
2.3 エルナニ(Hernani)からトローサ(Tolosa)へ
2016年8月30日(火) 晴れ 18.9Km
San Sebastian (7:30)= Hernani(8:10)ー Uranieta (8:50)- Andoain (9:45)
- Villabona(10:50)- Anoeta(12:05)- Tolosa(12:40)
今日も友人の自宅からサン・セバスティアン(San Sebastian)の駅まで歩き列車でヘルナニ(Hernani)
まで乗車する。今朝は通勤客も乗車していました。
駅から階段を登り通り(GI-131)へ出てスタンプを押すためにバル(Bar)へ立ち寄ってスタートしまし
たがすぐに通りの標識を見つけて歩き出すと教会があり朝日にドームが輝いていました。
やや坂を下って高速道路(A-15)をトンネル越えて静かな巡礼路になります。大きな柳の木があって緑の
多いバスクの道(Camino Vasco)は何処か日本の風景を思い出させます。
巡礼路は鉄道の線路脇を歩きウラニエタ(Uranieta)駅の前を通りますが駅前にはフランス人の道にある
道標が置かれています。
やや工場街を歩いて高速道路の入り口になる交差点を過ぎると廃線跡の歩道に上ります。ここにはかつて
パンプローナ(Pamplona)からサン・セバスティアン(San Sebastian)までの鉄道跡で1958年に廃止
され後に自転車と歩行者専用の道路として整備されました。
この歩道を歩いていくとアンドアイン(Andoain)の街に入りアルベルゲ(Albergue de Pergrinos
Andoain)がありました。
アンドアイン(Andoain)は小さな町ですが教会の広場にバル(Bar)があったので丁度良い休憩ポイント
になりました。巡礼路は商店街を抜けて橋を渡り高速道路の下をくぐって対岸の川添いにビジャボナ
(Villabona)の家並みを見ながら歩きます。
ビジャボナ・ティツルクル(Billabona・Zizurkil)の駅を過ぎると鉄道線路に沿った道路になり地元
の方が散歩やランニングをしていました。
鉄道の踏切を渡るとアノエタ(Anoeta)の町へ入ります。今日の目的地であるトローサ(Tolosa)まで
残り3Km程度なのでここでは休まず歩き川沿いの道をトローサ(Tolosa)の町へ向かいます。
トローサ(Tolosa)はオリア川(Rio Oria)に沿った人口約19,000人の町で春にはフランコ時代に禁止
されていたカーニバルで賑わいます。
市街を通り抜け今日もトローサ(Tolosa)の駅からサン・セバスティアン(San Sebastian)へ戻りま
した。
*この行程の注意事項、コメント
① 前日と異なりほぼ平坦なコースで特に問題となる個所はありません。比較的交通量が少ないか歩行者
専用道を歩くことが出来ます。
② 市街地を歩くのでバル(Bar)やレストラン(Restaurant)等も多く利用は可能です。
HernaniのPlaza de los Gudaris | uranieta駅前の道標 |
Andoainの廃線跡(歩行者道路) | Iglesia Parroquial de San Martin de Tours (Andoian) |
Zizurkil付近の巡礼路 | Tolosa の Plaza Verdura |
2.4 トローサ(Tolosa)からベアサイン(Beasain)・イディアサバル(Idiazabal)へ
27.0Km
予定では前日のトローサ(Tolosa)からベアサイン(Beasain)までを歩く予定でしたが前日の
トローサ(Tolosa)付近も工場街で工場沿いの道を歩く個所もありました。
トローサ(Tolosa)とベアサイン(Beasain)間は更に工場や倉庫等も多く国道(Bidebarrieta
Kalea)との事です。
友人からこの区間は交通量も多く道路歩きは危険で止めた方が良いとのアドバイスがありスキップ
することにしました。
ベアサイン(Beasain)にはアルベルゲ(Albergue de Pergrinos Beasain)があります。
2.5 イディアサバル(Idiazabal)からセガマ(Segama)へ
2016年8月31日(水) 晴れ 8.8Km
San Sebastian (7:30)= Idiazabali(8:25)ー Segura (9:30)- Segama (11:20)
友人は今日で夏季休暇も終わりとなるのでセガマ(Segama)の途中まで一緒に歩き、そこから一人で
歩くことになりました。ベアサイン(Beasain)から歩くつもりで今日は車で送ってくれることになり
ましたがサン・セバスティアン(San Sebastian)から高速道路に乗るとベアサイン(Beasain)の
街付近はまだ巡礼路路が道路沿いとなるので一旦レストランで休憩してスタンプを貰い、さらに少し先の
イディアサバル(Idiasabal)村まで行くことにしました。
村の駐車場に車を置いて少し歩くと教会前で巡礼路の標識を見つけることが出来ました。
巡礼路は住宅街から高速道路(A-1)の下を潜って登り道になり見晴らしの良い農場を過ぎるとやや下って
セグラ(Segura)へ向かう道路の交差点に出ました。友人とはここで別れることになりましたが4日間
大変世話になりましたがた何処か一緒にCaminoを歩くことを約束しました。
セグラ(Segura)までは静かな巡礼路になり30分程度で村へ着き、バルでコーヒーを飲んでスタンプ
を貰いました。
セガマ(Segama)への道は道路沿いですが歩行者専用の静かな巡礼路で山間部に近い事を感じさせる
素晴らしい道でした。
セガマ(Segama)ではOficina de Turismoへ立ち寄りアルベルゲ(Albergue de Segama)の鍵を
借りて村はずれのプレハブ小屋の様なアルベルゲへ荷物を下ろしました。
午後は一人でのんびりしていましたが夕方に学生3人のグループが着き一緒に泊まることになりました。
*この行程の注意事項、コメント
① イディアサバル(Idiasabal)からやや登りますがその後は比較的緩やかな登りで問題はありません
でした。
② Eroskyのガイドではセライン(Zerain)泊まりとしていましすが翌日は距離も長く登りになるので
セガマ(Segama)泊りとすることをお勧めします。
セガマ(Segama)にはレストラン等もあり宿泊に問題はありません。
Idiasabalの街中 | Seguraの村へ |
Seguraの広場 | Segamaへの歩道 |
Segamaの村を望む | Albergue de Segama |
2.6 セガマ(Segama)からサルバティアエラ アグライン(Salvatierra Agurain)へ
2016年9月1日(木) 晴れ 21.0Km 46.356歩
Segama (7:00)ー Buenabiste(8:05)ー San Sprits (9:20)- San Adrián Tunel (9:45)
- Limite Provincial(10:15)- Zalduondo(12:20)- Ordiñana(13:20)
ー Salvatierra Agurain (14:20)
今日はコース中のハイライト区間で標高差も895mと厳しいが幸いにも天候は良さそうで睡眠も十分で
あったので朝まだ暗い7:00にスタートする。
アルベルゲのカギを村のホスタルのポストに返却して道路を歩き始めました。
15分程度で登り口になり農道ですが勾配は始めからやや厳しい道です。ひとしきり登ると農場の家があり
セガマ(Segama)方面の眺めも良いブエナビスタ(Buenabiste)に着きます。
前方の岩峰が朝日に輝いて素晴らしい眺めです。体も温まってきたので上着を脱ぎ少し休んで出発しました
がここからは登山道のような山道になり次第に勾配も厳しくなってきます。
途中には農場の建物などがあり山仕事をしている村人もいましたが林間の登山道をひたすら登ります。
右手から登ってくるやや広い農道と交差してやや広い道になると前方が開け、Ermita de Sancti Spirits
の建物がある場所へ着きました。
ここからは素晴らしい眺めが広がり前方の岩にトンネルと思われる個所を確認することが出来ます。
昨夜一緒に泊まった学生も登ってきて暫く休みました。
牧場となっている快適な道をトンネルに向かって歩くと20分程度で入り口にErmitaが建てられている
San Adorián Tunelに着きます。かつてはこの場所で通過する交易商人から通行税を徴収していたとの事
ですがトンネル内部の高さは約3m、長さ150m程度ではありますがこの岩峰にトンネルを掘った先人の
努力が偲ばれます。トンネルの出口には放牧の牛が数匹草を食べていてカウベルがトンネル内に響いてい
ました。トンネルを出ると草原と白い岩が広がり再び林間の登山道になります。
この付近は幾つかのハイキングルートが交差している為か道標には数本のルート表示があります。
GipzkoaとAlavaの県境になる峠の最高地点(Limite Provincial/Portuzarra Alta de la Horca)は
林に囲まれ展望のない場所で多くの指示標識からCaminoの方向を見つけて下ります。
ここからの下りは長い林道歩きで途中で牛を山の牧草地から下ろす連中に会いました。
やっと前方が開けた平原に着くとサルドゥオンド(Zalduondo)の村が見えます。
村に着くと教会の前にバル(Bar)がありやっと休憩する事が出来ました。
サルドゥオンド(Zalduondo)の村からは道路(A-3018)の単調な道を約2時間歩くことになりましたが
振り返ると今朝から越えてきたバスクの山々の峰が広がっています。
サルバティアエラ/アグライン(Salvatierra Agurain)の街ではOficina de Turismoでアルベルゲの
鍵を借りることが出来ました。アルベルゲはサッカーグランド脇の建物ですがベット・シャワー等の設備
は問題ありません。ここは人口約4,950人と小規模な町でしたがレストランやスーパー等もありやや厳し
かった今日の歩きの疲れで早めに休みました。
*この行程の注意事項、コメント
① セガマ(Segama)から最高地点の峠までの標高差は895mでかなり勾配の急な山道歩きとなります。
サルドゥオンド(Zalduondo)の村まで6時間程度あるので飲料水・軽食は持参することが必要です
② Ermita de San Spiritsから峠までは道が不明確な個所がありセガマ(Segama)で入手した案内図
でも詳細にルートを記載しているので下記に添付します。
「Itenario San Adorián」
③ 最高地点では幾つかのハイキングルートが合流しているので標識と道が複数ある為、下る方向を間違い
無く確認をすることが望ましい。
Segamaからの登り口 | Ermita de Sancti Spirits |
Ermita de Sancti Spiritsからの展望 | San Adorián Tunelを望む |
San Adorián Tunelの入り口 | Ermita de San Adorián Tunel |
最高地点の峠の道標 | サルドゥオンド(Zalduondo)の村から |
2.7 サルバティアエラ アグライン(Salvatierra Agurain)から
ビトリア・ガステイス(Vitoria Gasteis)へ
2016年9月2日(金) 晴れ 27.4Km 48,423歩
Salvatierra Agurain (7:00)ー Gaseo(8:15)ー Ezkerekcotxa (8:45)
- 道路(A-3112) (9:50)ー Nuestra Señora de Alaya (10:13)ー Elburgo(11:00)
- Villafranca(11:50)- 道路(A-132)(12:05)- vitoria Gasteis(14:25)
ビトリア・ガステイス(Vitoria Gasteis)まで大きなアップダウンはないが約27kmと距離があるので
今日も早めに出発する。アルベルゲを出発すると深い霧が出ているが天気は心配がない様だ。
工場地区の道路沿いを歩き高速道路が見える個所に来たが標識を見落として通過してしまいやや戻って
工場脇を通って高速道路(A-1)を渡り農道の巡礼路へ出ました。
暫く歩くとガセオ(Gazeo)の村を通ってここから暫く道路沿いに歩き再び農道へ深い霧が立ち込める
中を歩きエスケレコトシャ(Ezkerekotxa)の村に着きました。村にはサン・ロマン教会(Igresia San
Román)があり、鉄道(Renfe)駅の近くを通って線路沿いに歩きます。
鉄道がトンネルに入ると巡礼路は登り坂になり小さな丘を越えました。まだ霧の立ち込める静かな農道を
歩いて行くと道路(A-3112)に出ます。この道はアレグリア・デゥランティ(Alegria /Durantzi)の
街へ向かう道ですが巡礼路は直に農道へ入ります。
暫く歩くとやや高台にドーム型の教会が見えてきました。巡礼路から5分程度丘を登るとロマネスク様式の
Ermita Nuestra Señora de Alayaの教会が建っています。この教会は13世紀の建設と考えられています
が17世紀に大きな修復を行った事が知られていますが、現在でも毎年8月5日に聖母を祝福するお祭りが
記載されているとの事です。この聖堂前の公園のベンチで休みましたが半円形の後陣が美しい素朴な教会に
暫し見とれました。
歩き始めるとやっと霧が晴れてきましたが直に同じロマネスク様式の小さなErmita de San Juan de
Arrarainが道路脇に建っています。この教会も12世紀の建設です。
小さな村、ブルゲル・エルブルゴ(Burgelu/Erburgo)の村を通り日差しで次第に暑くなって来た農道を
歩きビジャフランカ(Villafranca)の村に着きますがここにもバル(Bar)は無く次のアルガンドーニャ
(Argandoña)の村まで歩きます。この村は住民が37名と小さな村ですが村には聖コルンバ教会
Igresia Parroquial de Santa Columbaがあります。
ここからは道路(Carretera Sanguessa-Vitoria/A-132)を30分程度歩いてビトリア・ガステイス
(Vitoria/Gasteis)の街が見えだすとマドゥラゴイア(Maduragoia)村方面への道へ曲がります。
村を見ながら500m程度で農道へ入りビトリア・ガステイス(Vitoria/Gasteis)市内へ向かいます。
アルカイエ(Arkaie)の住宅街を抜け、大きな団地群の場所へ来ると日差しが更に厳しくガソリンスタンド
へ立ち寄って初めて飲み物とサンドイッチを食べることが出来ました。
このガソリンスタンド近くのバス停から市内への循環バスがあったので、丁度来たバスに飛び乗って旧市街
のカテドラルの前へ着きました。
ビトリア・ガステイス(Vitoria/Gasteis)はアラバ(Alaba)県の県庁所在地でありバスク州(Pais
Vasco)の州都でもあります。人口は約244,000人でビルバオ(Bilbao)に次ぐ大きさです。
1181年にナバーラ王国のサンチョ6世がヌエバ・ビトリア(Nueva Vitoria)として街を建設しました。
市内は街路樹や緑地の緑が多く2010年に欧州グリーン首都になりました。
司馬遼太郎の”街道をゆく 南蛮の道"でバスクの大統領にあった地として書かれており訪れてみたい街でも
ありました。
*この行程の注意事項、コメント
① 大きなアップダウンも無く問題のない道ですが、市内中心部まで27kmとやや長く単調で途中にバル
(Bar)やレストラン等がありません。
② ビトリア・ガステイス(Vitoria/Gasteis)では現在Albergue Juvenil Carlos Abaituaが閉鎖され
ています。Albergue de Catedral(Calle Cuchilleria 87)は旧市街北部のPlaza Santa Mariaの
近くですが巡礼者専用ではなく一般の学生等も利用しています。設備的には同様です。
途中のアレグリア・デゥランティ(Alegria /Durantzi)にもアルベルゲがありますが巡礼路からは
離れています。
Ezkerekotxa付近の線路沿い | Ermita Nuestra Señora de Alaya |
Ermita de San Juan de Arrarain | Villafrancaの村 |
Igresia Parroquial de Santa Columba | Vitoria/GasteisのCatedoral |
2.8 ビトリア・ガステイス(Vitoria Gasteis)から
プルエバ・デ・アルガソン(Puleba de Argazón)へ
2016年9月3日(土) 晴れ 18.5Km 33,372 歩
Vitoria Gasteis (7:40)ー ホテル(8:40)ー Gometexa (9:30)
- Carretera de Zumeltz (11:20)ー Subijana de Alaba(10:35)
ー Villanueva de Oca(12:10)ー Puebla de Argozón(13:00)
昨日は市内を見ることが出来なかったので朝アルベルゲを出発して旧市街の建物などを見ながら歩き
始めましたがスペイン広場(Plaza de España)の周りにはサン・ミゲル教会(Igresia San Migel)
等素晴らしい建物が残っています。
フロリダ通り(Paseo de la Florida)の起点のトラムの駅付近には路上に貝のマークを見つける事が
できてここが巡礼路であることを示しています。この通りは広く街路樹もある緑豊かでさすが欧州グリ
ーン都市を感じさせます。街路樹の茂る通りは1時間程度続きスタジアムを越えたところにホテルが
あってコーヒーを飲んで朝食としました。
いまだ霧の晴れない通りを進むと左手の緑地にBasilica de San Prudencio de Armentiaの建物が
見えました。この教会は12世紀末に建設された後期ロマネスク様式で端正な美しさです。
やっと緑の多い地区を抜けて道路(N-102)沿いに暫く歩くとGometxaの村に入ります。ここから
は道路を離れて麦畑の刈り取った静かな農道を歩く事が出来ます。
暫く歩くと道路(A-4102)横断して再び農道をサブリナ・デ・アラバ(Sablina de Alava)の村まで
歩きます。この村には教会(Igresia de San Esteban)が建っており小さな村ですがこの様な教会を
持っているのはさすがに信仰の深い国であることを思い起こします。
またこの村は1762年のマニラ戦争後にマニラ大統領になったSimón de Anda y Salasarの生家が
あるとの事ですが巡礼路沿いではなかった様で気が付きませんでした。
ここから巡礼路は山道になって約200m登りになりますが途中に松やtwisted oaks (オークの木)等が
茂っておりバスクの最後の山でもあります。またこの道はバスクを周回するGR282(Camino Senda
del Pastoreo)も並行している事から道標や途中に案内板がありました。
坂を下るとビジャヌエバ・デ・ラ・オカ(Villanueva de la Oca)の村に着きます。バル(Bar)がある
かと期待しましたが何も無い村で平原の農道を歩いて高速道路(E-5)の橋げたの下を通って今日の目的
地であるプルエバ・デ・アルガソン(Puebla de Argozón)の村の広場に着きました。
アルベルゲの鍵は村役場(Ayutamiento)で借りることになっており。役場に行きましたが担当者が
不在で広場前のバル(Bar)でビールを飲んで待っていました。
30分程度で担当の方が来てくれてアルベルゲまで案内してくれました。アルベルゲは住宅を利用した
もので広く設備も良く夜は一人で寂しいほどでした。
*この行程の注意事項、コメント
① サブリナ・デ・アラバ(Sablina de Alava)からビジャヌエバ・デ・ラ・オカ(Villanueva de la Oca)
の間は登り200mの山道になりますが特に問題はありません。
② 途中の村にはバル(Bar)、商店(Tienda)等はありません。
プルエバ・デ・アルガソン(Puebla de Argozón)では鉄道駅の陸橋を渡った道路沿いにレストランが
ありました。
Vitoria Gasteisの路上にて | Basilica de San Prudencio de Armentia |
Igresia de San Esteban | Sablina de Alavaからの巡礼路 |
Villanueva de la Ocaの村 | Albergue de La Puebla de Argozón |
2.9 プルエバ・デ・アルガソン(Puleba de Argazón)から
ミランダ・デ・エルボ(Milanda de Erbo)へ
2016年9月4日(日) 晴れ 17.1Km 34,635 歩
Puebla de Argozón (7:10)ー Burgueta(8:15)ー Estavillo (8:55)
- Berantevilla(分岐)(10:15)ー Rio Zadorra(11:15)
ー Miranda de Ebro(12:40)
バスクの道(Camino Vasco interior)はフランス人の道へサント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ
(Santo Domingo de la Calzada)へ出るルートが一般的に紹介されたいますがバイヨンヌの道
(Camino de Santiago via de Bayona)としてブルゴス(Burgos)への道多くの巡礼や交易のルート
として利用されていました。
今回は当初からブルゴス(Burgos)へ歩く予定でしたので今日は途中からミランダ・デ・エルボ
(Miranda de Erbo)へ向かうことになります。
昨夜は快適なアルベルゲで十分に寝ることが出来たので今朝は霧の無い快晴の朝を快適に出発しました。
暫く高速道路(A-5)沿いの道路を歩きブルグエタ(Burgueta)への道に入って高速道路の下を通り
ます。ブルグエタ(Burgueta)村は数十軒の住宅がある小さな村で入り口にはCamino de Santiago
の石碑がありました。
村を出て遠望の利く麦畑の農道を歩き40分程度でエスタビジョ(Estivallo)の村に着きますが道は村
の中を通らず高速道路のインターチェンジが見える道路を進み、やがて高速道路に沿って料金所脇を通っ
てから高速道路を離れてやや登りの農道を歩きます。
見晴らしの良い高台(Alto Rezana)からやや下るとベランテビジャ(Berantevilla)の村が見え川
(Rio Ayuda)を渡ると直に村へ向かう道路(A-3122)に出ます。この道路が分岐点で道路を渡った所
にサンティアゴの貝が彫られた石碑のある墓場(Cementario)がありますが、ミランダ・デ・エルボ
(Miranda de Erbo)は道路を進みます。
この道路から暫くは黄色の矢印も標識もありませんが道路を500m程度歩くとHaro-Vitoria道路(N-124)
の交差点がありこれを渡って工場街を河(Rio Zadorra)沿いに高速道路を回り込みます。
高速道路沿いの道からミランダ・デ・エルボ(Miranda de Erbo)への道路に出て河(Rio Zadorra)
に架かる橋に来るとカスティージャ・レオン(Castilla y Leon)州の看板がありバスク州(Pais Vasco)
を離れます。橋を渡ると再び黄色い矢印があり巡礼路に戻りました。
ミランダ・デ・エルボ(Miranda de Erbo)へ向かう道は直線道路で街路樹もある広い道ですが市内まで
約1時間程度かかりました。街の入り口にも黄色い矢印がありましたが途中で見失い役所(Ayutamiento)
を目指して通りを歩きエスタシオン通りへ出ると日曜日にためか多くの人がバル(Bar)等の通りのテー
ブルで休んでいました。
今日は川幅の広いエブロ河(Rio Ebro)に架かる橋を渡ってすぐの通りにあるホスタル(La Taberna
Grande)に泊まることにしました。
*この行程の注意事項、コメント
① 私はGPS足跡データによる地図を持っていたので、それに従ってベランテビジャ(Berantevilla)
の村まで歩いて高速道路を渡るルートを取りましたがエスタビジョ(Estivallo)の村から直に分か
れ、アルミニョン(Armiñon)の村経由で歩く道が正規のルートかと思われます。
Gonz.comによるルート及びFeración Españolaの案内を参照して下さい。
Gonz.com:http://www.gronze.com/etapa/puebla-arganzon/miranda-ebro
Federación Española de Asociaciones de Amigos del Camino de Santiago :
Etapa 7 De La Puebla de Arganzón a Haro
② 途中の村にはバル(Bar)、商店(Tienda)等はありません。
③ ミランダ・デ・エルボ(Miranda de Erbo)にはアルベルゲ(Albergue de la Picota)があります。
久しぶりの夜明け | Burgueta村のモニュメント |
Estivallo村の手前にて | Berantevilla村のCementario |
Castilla y Leon州の入り口 | Miranda de ErboのEbro河 |
2.10 ミランダ・デ・エルボ(Milanda de Erbo)からパンコルボ(Pancorbo)へ
2016年9月5日(月) 晴れ 16.4Km 27,185 歩
Miranda de Erbo (7:00)ー Orón(7:45)ー N-1分岐 (7:50)ー 高速道路(AP-1)(08:35)
- Ameyugo (09:45)ー サービスエリア(10:10)ー Ermita de Santiago(11:30)
ー Pancorbo(12:00)
今日は約16.5Kmと距離は短いが午後になると日差しが厳しいので早めに出発する。まだ薄暗い市内を歩い
て行くと通勤の人に出会う。
Orónの街は道路沿いで街中は通らずに通過すると国道(N-1)との交差点があり角には病院があり、朝の
通勤や診療のためと思われる車が入っていきます。巡礼路は国道(N-1)の手前で病院の建物を回るように
農道になりますが今朝も朝日が丁度昇ってきて美しい風景でした。
巡礼路は麦畑の刈り取られた道を進み一旦ブヘード(Bugedo)村への舗装道路を歩きますが途中から再び
農道へ曲がり長い直線の道を歩きます。
約1時間程度で前方に岩山が見え高速道路の陸橋になります。陸橋を降りるとアメユゴ(Ameyugo)の村
で村の入り口に水場がありましたので暫く休みました。ここは現在人口100人程度の小さな村でですが,
村の通りにベラスコの塔(Torre de los Velasco)があります。かつては静かな山間の村であったと思い
ますが現在は高速道路を走る車の騒音で静けさが消されているのが残念です。
村にはバル(Bar)などありませんが村から1km程度のところに高速道路のサービスエリアがありレスト
ランや売店がありそこでコーヒーを飲んでまた休みました。サービスエリアには次々に車が来て賑わって
いました。サービスエリアから巡礼路は山道になりますがそれほどの登りはなく岩峰とオロンチジョ河
(Rio Oronchillo)に沿う谷間の道はハイキングコースの様で快適です。
まもなく林間にErmitas de la Virgen del Camino y del Santo Cristoの建物がありました。
この教会は1076年に建設されたロマネスク様式ですが後に改築されていますがサンティアゴ巡礼者の為の
伝統的な教会で建物は石灰岩で正方形の石積み工法で建設されています。
教会前は訪れる人のための公園として整備されていますが山間に静かに建つ建物は印象的でした。
近くの岩山にはErmita del Santo Cristo de Barrioがあるとの事ですが訪れてみませんでした。
鉄道のトンネル下を川沿いに歩くと前方が開けてパンコルボ(Pancorbo)の村に着きます。
この村は渓谷の通過を支配する要塞として9世紀に建設されましたが、村の入り口にはサンチアゴ教会
(Igresia de Santiago)が建ち後ろの岩山にはパンコルボ城(Castillo Pancorbo)の遺跡が残って
います。村の人口は約600人でカスティージャ・レオン州の高原のオロンチジョ河(Rio Oronchillo)に
沿う伝統的な美しい村として知られています。
村の役場(Ayutamiento)に立ち寄るとアルベルゲを紹介してくれましたが。役場から100m程度にある
レストランの2階で7ユーロでしたが階下で食事も取れ快適でした。
今日の巡礼路は景観も素晴らしく楽しめた道でした。今日も巡礼者は私のみでやや高速道路の車の音が気に
なりましたが十分に睡眠が取れました。
*この行程の注意事項、コメント
① この区間は約17kmと距離も短く登りもないので問題はありません。
② アメユゴ(Ameyugo)から15分程度のサービスエリアで食事も出来ますが、パンコルボ(Pancorbo)
のアルベルゲ(Albergue de Peregrinos La Casora)がレストランを兼ねていますのでそちらが
便利です。
Orónの国道(N-1)交差点の病院 | Bugedo村付近の巡礼路 |
Ameyugo村の水場 | Ermitas de la Virgen del Camino y del Santo Cristo |
Rio Oronchilloに沿う渓谷 | PancorboのIgresia de Santiago |
2.11 パンコルボ(Pancorbo)からブリビエスカ(Briviesca)へ
2016年9月6日(火) 晴れ 23.2Km 47,681 歩
Pancorbo (7:00)ー 高速道路(AP-1)(8:25)ー Villarta de Bureba (9:45)
ー Zuñeda(10:35)- Grisaleña (11:45)ー Cameno(12:40)ー Briviesca(13:50)
今朝快晴で村を出て鉄道の線路を渡った所でやや迷ったが直に矢印を見つけることが出来て巡礼路に
戻った。巡礼路は鉄道線路沿い1時間半程度歩いて高速道路の高架橋を渡り高速道路沿いに歩くが、
この付近は整備されておらず草が茂って歩きにくい。
地図では再び高速道路を渡ってツニェダ(Zuñeda)の村に向かうことになっているが渡る箇所が
分からずそのまま農道を歩いてしまった。すでに30分程度は矢印も無く間違った事を認識したが戻る
のも大分かかりそうなのでそのまま歩いてしまった。
村(後からVillarta de Burebaと分かった。)についてツニェダ(Zuñeda)村の道を聞くと道路を
行けば良いとの事で安心した。約1時間程度で高速道路(Ap-1)の下を潜りやっとツニェダ(Zuñeda)
村へ着き大きく迂回してしまった事が分かりました。
ツニェダ(Zuñeda)からは特に問題はなくグリサレーニャ(Grisareña)、カメノ(Cameno)の
村を緩やかな起伏の農道を暑い日差しの中で歩きました。
ブリビエスカ(Briviesca)の街では役場(Ayutamient)でアルベルゲのカギを借りる必要があり
ましたが昼休みになる10分前の13:50に着きました。
この街は人口約7,200人との事で比較的大きな街でレストラン、スーパマーケット等があります。
ホスピタレロに連絡してくれ暫く待つとホスピタレロが役場まで来てくれアルベルゲまで案内をして
くれました。アルベルゲは一般のアパートの一室を使用しているもので部屋も広く設備は十分です。
この3日間はいずれも素晴らしい設備のアルベルゲで今日も一人で泊まって申し訳けないくらいでした。
*この行程の注意事項、コメント
① 今回はGPSの足跡データをタブレットで持参しましたがこの日はGPS連動の機能を使えず、道を
間違えたことを認識しても地図上で自分の位置が把握出来ず誤った方向の村まで歩いてしまいま
した。地図と比較すると高速道路沿いの箇所からと思います。
② 途中の村にはバル(Bar)、商店(Tienda)はありませんでした。
③ ブリビエスカ(Briviesca)のアルベルゲ(Albergue de peregrinos de Briviesca)には炊事
の設備もあります。
鉄道線路脇を歩く | 高速道路(Ap-1)の陸橋 |
Villarta de Burebaの村 | Zuñedaの村 |
Camenoの村の入り口 | BriviescaのAyutamiento |
2.12 ブリビエスカ(Briviesca)から
モナステリオ・デ・ロディージャ(Monasterio de Rodilla)へ
2016年9月7日(水) 晴れ 19.2Km 33,349 歩
Briviesca (7:05)ー Parádanos de Bureba(8:40)ー Castil de Peonos (9:45)
ー Revillagodos(10:15)- Quintanavidos (10:45)ー Santa Olla de Bureba(11:10)
ー Monasterio de Rodilla(12:05)
今日は道を間違えないようにしようと出発時にタブレットの位置情報機能を確認しました。
朝ブリビエスカ(Briviesca)の街を川沿いの遊歩道を歩いて街を出ました。
今日も鉄道線路と国道(N-1)に沿った道を歩きますが比較的静かな良い道で散歩をしている人もいま
した。約6km(1時間半程度)でパラダノス・デ・ブレバ(Páradanos de Bureba)の村に着きまし
た。村には小さな教会がある程度で静かな村です。この村から一旦線路沿いを歩いてから国道(N-1)
に沿った道路になりますがそれほど交通量もなく安心して歩け約1時間程度で次のカスティル・デ・
ペオノス(Castil de Peonos)の村です。この村は城(Castillo)からつけられた名前で村には古城
があるとの事ですが村の中心部に”La Casora”と名前の古い建物が残っています。この建物は16世紀
の建設で村の役場と集会場の様な目的に使われたものと思いますが既に荒廃しており修復が望まれる
遺跡です。
村から10分程度で鉄道駅(Castil de Peonos)の前を通り高速道路(AP-1)の陸橋を渡ります。
その後レビジャゴドス(Revillagodos)の村の下を通って30分程度でキンタナビドス(Quintanavidos)
の村へ至ります。この村にはアルベルゲがありますが時間も早く巡礼路沿いではないので気が付き
ませんでした。次の村はサンタ・オジャ・デ・ブレバ(Santa Olla de Bureba)で村の中心の広場に
バル(Bar)があったので暫く休憩をしました。
モナステリオ・デ・ロディージャ(Monasterio de Rodilla)の村までは40分程度でしたがアルベルゲ
は国道(N-1)沿いの一軒家で隣のバル(Bar)で鍵を借りる事が出来ました。
村の名前がモナステリオ(修道院)なので静かな山の中と思っていましたがブルゴス(Burgos)も
近いためか国道(N-1)はかなりの交通量です。
村から1.5km程度の山の中に12世紀に建設されたロマネスク様式のLa ermita de Nuestra Señora
del Valle がありますが巡礼路沿いなので翌朝に立ち寄る事にしました。
アルベルゲは広くはありませんが清潔で設備もよく今日も誰も来ませんでした。明日はブルゴス(Burgos)
ですが今回は友人以外にビトリア・ガステイス(Vitoria Gasteis)から会う巡礼者も無くこれも
寂しい旅でした。
*この行程の注意事項、コメント
① 特に問題になる区間は無く、巡礼路もほぼ平坦です。
② 途中のSanta Olla de Burebaの村にはバル(Bar)がありましたが、食事は出来ません。
Monasterio de Rodillaには道路沿いにレストランがあります。
鉄道線路脇を歩く | Páradanos de Burebaの村 |
Castil de Peonos村の”La Casora” | Santa Olla de Burebaの村 |
巡礼路の道標 | Monasterio de RodillaのAlbergue |
2.13 モナステリオ・デ・ロディージャ(Monasterio de Rodilla)かブルゴス(Burgos)へ
2016年9月8日(木) 曇り時々雨のち晴れ 28.0Km 42,413 歩
Monasterio de Rodilla (7:05)ー Santa Marina (7:30)ー Ermita (7:35)
ー Area Servicio de La Burjúla(08:40)- Via Itaria <End>(09:50)
ー Via Itaria <Inicio>(11:05)ー Granja las Mijaradas(11:15)
ー Hurones入り口(11:45)- 高速道路(A-1)(12:55)
- Villamar(13:15)ー Burgos(14:00)
バスクの道(Camino Vasco del interior)の最終日だが今日になって天気が悪い様で朝の出発の
際に雨具を着て出発する。まだ暗い道を登って行くと30分程度でサンタ・マリナ(Santa Marina)村
があり村はずれの公園にLa ermita de Nuestra Señora del Valleの建物がひっそりと建っています。
Monasterio de Rodillaの村の名前になった修道院でもありもっと大きな建物かと思っていましたが
先日のパンコルボ(Pancorbo)手前のErmitaと同程度でした。
公園から出ると道路を少し歩き左手の山道にはいりますが入り口の道標が道路を直進する様になっていま
したが地図と会わなかったので今日はGPSで位置を確認して左手の山道を取りました。
山道は松林の中を下り1時間程度で道路(N-1)沿いのホスタルの裏手に出ましたのでここで朝食を
取ることが出来ました。ホスタルのバル(Bar)を出て巡礼路の農道を歩き始めると霧の中に風力発電
の風車が何台も並んでいます。
風車の並んでいる下を通って巡礼路は途中から左折して戻る方向へ向かい松林の中を歩きます。
やがて広々とした平原に出ると”Via de Itaria Inicio de Ruta 5.6Km”の標識がありましたが最初は
意味が分かりませんでしたが、暫く歩くと"Via de Itaria"の案内板がありここがローマ時代の交易
ルートであったことがわかりました。広い平原ですが何もない場所で古の時代にブルゴス(Burgos)へ
向かう交易の重要な道であったことが偲ばれます。
1km毎程度に案内板があり起点(Inicio)まで1時間半程度かかり、この起点から直にゴルフ場が右手に
あり農場と思われる建物もありました。
道は農道に変わり農場や麦畑が両側に広がっていますが農家等の建物は見当たらず長い道のりとなって
やっと途中にウロネス(Hurones)村への入り口との看板を見つけました。
やや天候は回復して雨雲も脱ぎましたが道端に街路樹など無く天気の良い日にはさぞ暑い巡礼路になる
と思われ今日の天気に感謝です。
やっと前方に高速道路と街並みが見えビジャマル(Villamar)の街が近い事を感じます。やがて高速
道路の陸橋を渡りビジャマル(Villamar)の街に入ってやっとバル(Bar)があり休むことが出来ま
した。
ここからブルゴス(Burgos)までは市街地が続き広い道路となってからフランス人の道に交差する
ビトリア通り(Call Vitoria)に入ります。
今日はこの通りの途中のホスタルに泊まり無事にバスクの道(Camino Vasco del Interior)の終了を
一人で祝いました。
*この行程の注意事項、コメント
① アップダウンはありませんが久々に28Kmの距離があり長く感じます。
② La ermita de Nuestra Señora del Valleの公園を出て直に左手の山道に入りますが道標が道路
を直進する様に見えるので注意が必要です。
③ Area Servicio de La Burjúlaのホスタルからビジャマル(Villamar)まで何も無い道なので飲み物
軽食の持参が望ましいです。
La ermita de Nuestra Señora del Valle | Area Servicio de La Burjúla |
風車軍の道を歩く | Via de Itaria の案内板 |
Hurones村付近の看板 | Villamarの街中 |
以上
(Top)